富山県生活協同組合

2015年度福島視察・交流ツアー(2016年3月)

2016年3月25日(金)~26日(土)

富山県生協、CO・OPとやま、富山県生協連が合同で「福島視察・交流ツアー」を開催し、それぞれの組合員さんや役職員、富山大学の学生なども参加して、30名が福島を訪問しました。

 

視察日程

1日目

①磐越自動車道、常磐自動車道を通って双葉郡富岡町へ

②国道6号線を北上しながら、双葉郡大熊町、双葉町、浪江町、南相馬市小高区、内陸へ入って飯舘村を視察

③福島市飯坂温泉に宿泊

2日目

①コープふくしま コープマート方木田店にて学習会

②子ども保養プロジェクトinとやま参加家族を招いての昼食・交流会

 

1日目 浜通り~飯舘村 津波と原発事故の被害を受けた地域の視察

1日目は、磐越自動車道~常磐自動車道を通り、冨岡町を目指しました。

高速道路上の放射線量を知らせる電光掲示板

高速道路上の放射線量を知らせる電光掲示板

パーキングエリアの電光掲示板

パーキングエリアの放射線量を知らせる電光掲示板

 

 

 

 

 

 

 

 

双葉郡広野町へ入ると、高速道路上やパーキングエリアの放射線量を知らせる掲示板がありました。

 

楢葉町・シートをかけられたフレコンバッグ

楢葉町・シートをかけられたフレコンバッグ

 

高速道路上から見えた楢葉町の一角です。

写真の中央にある緑色のシートをかけられているものが、すべて除染で出た廃棄物を詰めたフレコンバッグです。劣化を防ぐためにシートをかぶせてあります。

※除染のはなし

原発事故で大気中に拡散した放射性物質は、雨や雪と一緒に地面に落ちて、落ち葉や草木、土に付着しました。
除染では放射性物質のついた落ち葉や草を回収し、土地の表土を剥がします。
表土を剥がしたところには新しい土を入れますが、生産者の方が一生懸命に土づくりをした畑や田んぼなどにも、砂利や砂の混じった土が入れられます。
除染が終わっても、農業を再開するには時間と労力が必要です。除染の完了=復興ではないのです。

 

街中へ向かう途中、除染作業をしていました。

街中へ向かう途中、除染作業をしていました。

フレコンバッグが並ぶ平地

フレコンバッグが平地に並ぶ

 

富岡町の街中へ向かう途中、道路の両脇を除染しているところでした。白い防護服を着た作業員が見えます。たくさんあるように見えますが…

 

バスの外がフレコンバッグで埋め尽くされる光景に

バスの外がフレコンバッグで埋め尽くされる光景

 

もう少し進むと、バスの左手が一面真っ黒にまりました。4段、5段と積み上げられた黒いフレコンバッグが、広い平地を埋め尽くしています。

※除染廃棄物のはなし

除染作業で剥がされた土や落ち葉、解体した住宅の廃棄物などは、黒い「フレコンバッグ」に詰められ、写真のように積み上げられて保管されています。一袋約1tあります。
集積する場所には限りがありますが、今後も除染が続くのでフレコンバッグは増え続けます。
これらの除染廃棄物は、不燃物と可燃物に仕分けされ、可燃物は仮設焼却施設で焼却しかさを減らす処理が行われています。かさを減らした廃棄物は、国有地に少しずつ埋められています。

 

 

国道6号線から見える福島第一原発の煙突とクレーン

国道6号線から見える福島第一原発の煙突とクレーン

 

富岡を出て国道6号線を北上し、大熊町を通過します。右手には福島第一原発の煙突が見えました。

このあたりを通過する時、バス内のガイガーカウンター(放射線測定器)は7マイクロシーベルトという数値を出しました。

 

飯舘村のフレコンバッグの山を見て驚く参加者

飯舘村のフレコンバッグの山を見て驚く参加者

 

 

 

 

 

 

 

 

南相馬市から福島市へ向けて移動する途中、村の大部分が居住制限区域に指定されている飯舘村を通りました。黒いフレコンバッグの山が続く光景に、参加者のみなさんは驚き、絶句していました。

飯舘村の様子(2016年1月)はこちら>>>

 

2日目 学習会・交流会

コープマート方木田店

コープマート方木田店

 

2日目は、コープふくしまさんの店舗・コープマート方木田店の組合員ホールをお借りして学習会・報告会を行いました。

 

宍戸常務理事による学習会

宍戸常務理事による学習会

 

 

 

 

 

 

 

 

コープふくしまの宍戸常務理事から、原発事故のあと福島に起こったこと、コープふくしまの放射線に関する調査や取り組みについてお話して頂きました。

  • コープふくしまの店舗も被災したが、全国の生協から駆け付けたボランティアの支援によって、多くの店舗が4月までに復旧した。
  • 事故直後、福島市内は20マイクロシーベルト/時という高い放射線量にさらされていたが、住民はそのことを知らず、コープふくしまでも店頭で商品を販売していた。
  • 余震が続くので子どもを家に置いておくことも出来ず、また放射能のことも知らされていなかったので、多くのお母さんたちが子供を連れて食料などを調達しに外へ出ていた。知らなかったとはいえ、子供を強い放射線にさらしてしまったということが、お母さんたちの心を深く傷つけた。
  • 放射能学習会、ガラスバッジによる外部被ばく調査、陰膳方式による食事に含まれる放射性物質量の調査、WBC(ホールボディカウンター)による内部被ばく調査など、組合員が放射能と向き合うための取り組みを続けてきた。
  • 2014年には、全国10生協の組合員の協力で全国外部被ばく調査を実施。福島県民の外部被ばく量が、他県と比べて特別多いわけではないことが分かった。
  • 各地の生協が、福島県の農産物を買い支える取り組みを行っている。
  • 全国の生協の支援により被災者に寄り添う活動や被災地視察が行われている。
  • 福島第一原発で起こったことや、その後続いている問題について。

 

福島の方々との交流会

福島の方々との交流会

 

 

 

 

 

 

 

 

学習会のあとは、「福島の子ども保養プロジェクトinとやま」にご参加下さった家族を招いての交流会を開きました。

朝日町で遊んだ時の思い出や、現在の福島での暮らしについて近況をご報告いただきました。

 

コープふくしま コープマート方木田店の除染看板

コープマート方木田店・除染の看板

 

福島市などの原発事故の直後は高い放射線量が観測された地域でも、避難指示区域の外であれば、日々の暮らしに影響がない数値まで放射線量がさがっています。

コープふくしまさんが行った「全国外部被ばく調査」からも、福島県民の外部被ばく量が、他県民に比べて特別高いわけではないことも分かりました。

 しかし、「除染」や「放射能」という言葉が気になる気持ちはなかなか消えませんし、数字の上では「大丈夫」と分かっていても、絶対に安心だと納得することは出来ないものです。

 そうした「不安」の感じ方は人それぞれに違います。福島で暮らす同じ不安を抱える人同士の間でも、そうした気持ちをお互いに打ち明けられず、一人で抱え込んでしまうことがあるそうです。

 

 

 

 

 

今回の視察・交流会では、福島の中でも、除染すら手付かずで、住民の方が戻るめどの立っていない地域がある一方、避難区域以外の地域で暮らす方々が、数値の上では影響がないといわれても、放射能に対する不安をぬぐいきれずに生活していらっしゃることが分かりました。 

それぞれの状況や気持ちに寄り添った支援をしていくために、今後も福島を知る取り組みを続けることが大切だと感じました。

富山県生協は今後も福島の方々との交流を続け、変化していく福島の〝現状〟を組合員の皆さんにもお伝えしていきたいと思います。

福嶋視察集合写真